民主党が、オバマ次期米大統領の選挙手法や政策を取り入れる動きを見せている。「チェンジ」を旗印に大統領選を圧勝した同氏にあやかって政権交代につなげたい思いがあるようだ。
オバマ氏が掲げる、自然エネルギーなどを活用して雇用創出につなげる「グリーン・ニューディール」政策に倣い、民主党は、250万人の新規雇用を創出する「緑の内需(日本版グリーン・ニューディール)」構想を策定する考えだ。次の衆院選までに構想をまとめ、選挙後に法案化することを検討している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081207-00000007-yom-pol
・コメント
国連の気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14)の会場で、「グリーンジョブ」という言葉が注目を集めています。自然エネルギーなど環境関連の新しい職業分野の総称で、グリーンジョブへの積極投資が環境保全と雇用創出につながるとの期待が高まっています。
「グリーンジョブ」は世界労働機関(ILO)が提唱しています。エネルギーから建設、輸送、住宅などの分野で従来のようなエネルギーを大量消費する業態からの転換を進める「より人間的な」職種とされているため、こういった分野が伸びていくと、いままでの消費に頼った資本主義経済成長から持続可能な社会へ移行していきそうです。
COP14の会場で開催されている研究機関や経済団体によるイベントでは、不況対策として、グリーンジョブを生み出す分野への積極投資が重要だとする指摘が相次いいます。
世界労働組合連合は「エネルギー分野だけでなく、公共交通機関の充実や住宅の省エネ化が大きな雇用を生み出す分野になる」と提言、米国内だけで400万人以上の雇用を生み出すという予測もあります。
不況時の景気浮上のための起爆剤は公共事業だと思います。省エネ産業が発展していくなら公共事業も悪くありません。一生懸命、国益よりも省益を守っている省庁を取りまとめるため、省益を守らなくてもよいように制度設計を見直して、官僚たちも国のために働いてもらえば無駄な公共事業など発生しないはずです。
悪いのはいままでの制度や考え方に固執することです。オバマ氏も言っていました。いまこそ『チェンジ』です。
参考 COP 気候変動枠組条約締約国会議 WIKI
気候変動枠組条約の条約事務局は、ドイツのボンにある。 この条約の交渉会議には、最高意思決定機関である気候変動枠組条約締約国会議 (Conference of Parties / COP) のほか、常設の補助機関 (SB) として、実施に関する補助機関 (SBI) と、科学的、技術的な助言に関する補助機関 (SBSTA) の2つがある。締約国会議は、毎年開催されている。
参考 ILO 国際労働機関 WIKI
具体的な国際労働基準の制定を進めてきており、近年では、男女の雇用や児童労働の撲滅に力を注いでいる。ILO総会で採択される条約を国際労働条約という。それを批准した国だけしか拘束しない。しかし、採択時に反対した加盟国も、条約を自国で批准権限を持つ機関(日本では国会)に提出しなければならない。
日本は、47の条約を批准しているが、これは全条約のうち約4分の1、ヨーロッパ諸国のおよそ半分である。開発途上国への技術研修などの役割も果たしており、そのために国際研修センター(トリノに設置)を置いている。
参考 グリーンジョブ構想 ILO抜粋
◎グリーン・ジョブ
「グリーン・ジョブ」とは環境に対する影響を持続可能な水準まで減じる経済的に存立可能な雇用と定義されます。生態系と種の多様性の推進と回復、消費するエネルギー・材料・資源の削減、脱炭素経済の推進、廃棄物と公害の発生回避または発生極小化を支援するような雇用が含まれます。
具体的には以下のような例を挙げることができます。
* ドイツでは既にエネルギー効率の向上及び再生可能エネルギー産業において、数万のグリーン・ジョブが創出され、さらに多くの創出が予定されています。2020年までに自動車産業全体よりも環境技術分野で働く人の方が多くなると見込まれます。
* 米国では環境産業の労働者数は医薬品業界の10倍で、2005年に530万人以上の雇用が生み出されています。
* ブラジルのエタノール計画は50万の雇用を創出し、そのバイオジーゼル計画はほとんどが貧しい小自作農家である数万人に利益するように特に設計されています。
* 欧州のみならず、新興経済諸国や途上国でも、エネルギー効率を20%上昇させると約100万の雇用が創出されると予想されます。
各セクターで見込まれるグリーン・ジョブの創出としては、例えばエネルギー部門では再生可能エネルギー及び廃棄物管理システムの設計と建造の仕事、運輸部門では環境に優しい輸送システムの開発における仕事、製造部門ではより持続可能な商品の生産に向けた材料の再製造における仕事、農業部門では天然資源管理と持続可能な農法における仕事、建築部門ではエネルギー効率が高い建物の修繕と建造における仕事、リサイクル部門では廃棄物の回収、処理、再利用における仕事を挙げることができます。
このようなグリーン・ジョブへの移行は少なくとも四つの影響を労働市場に与えます。
1. 製造業、建設業、輸送業、エネルギー部門を中心とした新たな雇用の創出
2. 低炭素経済及び新しい廃棄物管理手順またはそのいずれかへの移行による一部雇用の置き換え
3. 環境に有害な製品やサービスが次第に消滅していくことにより、直接置き換えられずに一部の雇用が消えること
4. この影響を認めることは難しいものの、多くの仕事が技能、作業ルーティン、作業編成に新たに焦点を当てることによって再定義されること
◎グリーン・ジョブ構想
グリーン・ジョブ構想とは、このようなグリーン・ジョブへの社会的に公正な移行を推進するイニシアチブを指し、政府、使用者、労働者がディーセントな仕事の創出と同時に環境的に持続可能な開発プロセスを達成することを目指す政策ツールを開発するよう奨励するものです。持続可能な開発路線が秘める技術革新、投資機会、企業創出、良質の雇用の創出といった多くの潜在力を発掘し、促進することを目指しています。これに伴う生産及び消費における変化の影響を受ける企業及び労働者の適応や社会的保護面のニーズにも目を配る予定です。
UNEPと国際労働組合総連合(ITUC)に加え、2008年には国際使用者連盟(IOE)も参加して、現在、この構想を世界的に推進しています。
2007年11月の理事会に提出された討議資料では、以下のような要素をグリーン・ジョブ構想の具体的な活動に含めることが提案されています。
◆グリーン・ジョブの推進
環境に優しいグリーン・ジョブは、排出量を削減しつつ幅広い成長基盤に寄与することで、気候変動、雇用、所得、貧困削減の間に建設的なつながりを構築します。
◆知識不足対策
国別、部門別、マクロレベルといった各種の研究の組み合わせを通じて、労働市場と収入に対する気候変動の危険な影響が予測される箇所を示すことを中心に、不足する知識部分の充填に取り組みます。
◆ILOを構成する政労使内及び他の関連する利害関係者との対話の促進と啓発活動
気候変動対策に関する対話とコンセンサス形成のプロセスは、数世代にわたって維持されなくてはならない政策の政治的な持続可能性にとって重要です。国際労働基準の設定と対話メカニズムの促進におけるILOの長い経験は気候変動に取り組む戦略に従事する際の強力な基盤になります。
◆気候変動適応策に対する雇用と収入の組み込み
危機対応や基盤構造投資を通じたものを含み、気候変動という不可避の事象に対する適応策に大規模な投資が振り向けられるよう促進します。
◆人に対する投資
気候変動への適応、エネルギー効率や資源効率の向上、排出量の削減、そして新技術導入に成功する上で必須となる技能を探求し、その育成を支援します。
◆より環境に優しい職場の達成
特に小企業において、既存の設備機器のエネルギー効率を高める低コストの方法の開発に向けて労使を動員し、その能力を構築することによって進められます。
◆経済的及び社会的移行の定着と円滑化
ILOの部門別活動計画にはエネルギー生産、建設、運輸、農業、エネルギー集約型産業などの基幹産業を含む様々な産業の政労使三者が話し合いを行う場が設けられています。これらの仕組みは政策と産業界の現実を制度的に結ぶ架け橋となり、必要な政策の統合を促進することができます。
◆ILOを構成する政労使及びILO事務局の能力強化
気候変動に効果的に取り組む好事例の普及や文書作成を含む情報提供や技術支援を通じて行われます。
◆覚書締結の有用性の探求
環境問題を扱う関連する各種機関の事務局との協力体制構築の手段を検討します。
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