2008年11月18日

デフレで世界から金利が消える日 このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - デフレで世界から金利が消える日


03.gif

 米国を中心としたサブプライム証券を発端とした今回の金融危機は、株式市場、通貨市場、新興国市場を巻き込みながら、ついに実態経済に伝搬しました。世界各地で雇用が悪化、企業の倒産が相次ぎ、生産活動が縮小しています。



 
11月7日、米国労働省は10月の失業率を発表しました。失業率は6.5%と9月の6.1%から上昇し14年ぶりの高水準を記録し、その前日に発表された新規失業保険申請数は、1983年以来、約25年ぶりの高水準となりました。

景況感の悪化も著しいものがあります。11月5日に米国供給管理協会(ISM)が発表した製造業景況指数は、38.9と過去最低を記録、ドイツのIFO経済研究所が発表した企業景況感指数は、90.2と2003年5月以来最低の水準に落ち込みました。

 9月以降の金融市場の混乱を受け、企業は景況感の悪化から雇用を削減を加速しています。今後発表される数字で、株価の下落による個人消費の減少や、企業の生産活動や設備投資の停止など、実態経済の悪化がより鮮明になるでしょう。

先進国は「景気後退」という表現ですが、新興国ではまさに「国の破綻危機」となっています。原因はいくつかありますが、一番大きいものは欧米金融機関と投資家の資金引き上げです。欧米金融機関からの融資をてこに経済を成長させていた新興国、特に東欧や中央アジアの国は影響が深刻で、外貨不足からすでにIMFへの支援を受けることが決定した国もあります。これらの国は今後数年間は、IMFの管理の下極めて厳しい経済運営を強いられることでしょう。

 半年前まで、新興国の高成長は続くといういわゆる「ディカップリング論」の主役であったBRICS諸国、(ブラジル、ロシア、インド、中国)も甚大な影響を受けています。

 中国は2008年第三四半期のGDP成長率が9.0%と二桁を割り込みました。中国は株と住宅バブルの崩壊、元高と輸出不振の四重苦に苦しんでおり、来年は経済成長が大きく落ち込む見通しとなっています。先日約60兆円もの経済対策を発表しましたが、HSBC証券は最新の経済予測で、この対策を加味しても 2009年度の中国の経済成長率は7.8%に減速すると報告しています。

 ロシアとブラジルは資源価格の下落と資金流失の影響を直接受けています。特にロシアは、原油価格の下落による財政赤字と外貨準備の減少の懸念から資金流出が止まらず、通貨ルーブルの切り下げに迫られました。それによりさらに通貨流出とロシア資産売りが加速し、11日通貨防衛のために政策金利を引き上げという措置に踏み切りました。

 IMFの最新の経済予測によると、2009年は先進国経済は大きくマイナス成長、新興国も成長率が大きく減少し、世界全体で2.3%と予測しています。まさにグローバル経済のリセッションです。

これらの経済危機に対し、先進国は政策金利の引き下げと財政出動で対応しています。特に政策金利については、政策金利をゼロ金利へ、インフレを考慮すると実質マイナス金利にするという異例の対応を取って対応しています。先進国は9月以降、政策金利を大幅に引き下げました。

FRBは政策金利を1。0%と2004年以来過去最低の水準に引き下げました。ECBとBOEは、6日それぞれ政策金利を0.5%と1.5%引き下げ、3.25%と3.5%という低水準に引き下げました。

 ほとんど金利のない日本も0。5%から0。3%へ引き下げを決め、その他にもオーストラリアは直近のピークから2%、ニュージーランドは1.75%の利下げを行い、それぞれ政策金利を5.25%、6.5%としています。

抜粋 マネージン

・コメント
 世界中で金利が引き下げられた場合、日本にはどのような影響が出るのでしょうか。

 金融危機が起きるまでは、先進国の中で突出して金利が低かったため円資金を借りて高金利通貨を買う、いわゆるキャリートレードがあちこちで行われていました。

 これが成り立たなくなってしまいます。さらに円資金を借りていた外国人投資家が高金利通貨の暴落により、借金を背負って損きりもしくは、ストップロスにより円を返さねばならなくなりました。

 それに加えて日本国内で人気の「外貨建て毎月分配型投信」のような商品が軒並み値崩れを起こしますます円高が進んでいます。為替差益も大幅にマイナス、金利差自体もなくなってしまったのでスワップ収入も減少となります。

 金利が消えるとお金を預けていても増えないがお金を借りても借金は増えません。企業は真っ先に自国の資金を調達して、景気を加速させようとします。

 円自体がもうその低金利のメリットを失いつつあるわけです。各企業も進出先の国で資金を調達することでしょう。そうなると円が弱含みます。個人的には、うまく自然調整が働きそうな気がします。日本だけ突出した低金利で歪んでいた経済が均衡を取り戻そうとしていると考えられないでしょうか。



参考 金利 WIKI

貸借した金銭などに対して、ある一定利率で支払われる対価。金利は、通常は、貨幣の時間的価値と信用リスクの対価としての性質を有するものと考えられる。理論的には、無リスク資産に付される金利は貨幣の時間的価値のみを反映したものである。

資本主義社会においては経済活動に金融は不可欠であり、その利率は経済の動きに密接に関わっている。そして、金利を左右しているのが中央銀行の貸し出し利率である公定歩合である。そのため経済政策において公定歩合の設定は非常に重要な位置を占める。

一般に、金利が低ければ預金のメリットは低くなり、低利で融資を受けることができるので、投資が増えやすくなる。海外の投資家からみると金利の低い通貨を保有するメリットは少ないため通貨の価値は相対的に下がり、輸出が増え輸入が減る傾向になる。投資の活発化により景気が向上した場合に投資対象として通貨が上がる場合や将来のインフレ率が高まると予想されて長期金利が上がる場合もある。

これとは反対に金利が高くなると、預金のメリットが高まり、融資を受けて事業に投資するリスクが高くなるので、投資が増えにくくなる。海外の投資家からみると金利の高い通貨を保有するメリットが多いため通貨の価値は相対的に上がり、輸出が減り輸入が増える傾向になる。そのため過熱した景気を冷ます効果が期待される。

このような関係から、公定歩合を引き下げる政策は金融緩和、引き上げる政策は金融引き締めと呼ばれる。


参考 キャリートレード WIKI

「円借り取引」とも呼ばれ、円資金を借入れて相場商品や証券など一般には金融資産を保有し、一定期間後に資産を売却しその売却対価によって、資金を付利して返済し、差額により利益を得ようとすることである。資産を保有すること、つまりポジションを持つ状態(正しくは、ロングポジションにあること)をキャリングというが、円をキャリングしているわけではない。

円キャリートレード(円キャリー取引)は、円資金を借入れて様々な取引を行うことを指す。国際的にみて低金利である円を借入れて、円を売ってより高い利回りとなる外国の通貨、あるいは外国の通貨建ての株式、債券などで運用して「利ざや」を稼ぐ行為は、円キャリー取引と呼ばれている。内外の機関投資家のほか、個人投資家もこの取引に参加している。個人がこの取引に入る形として注目されているものに外国為替証拠金取引(FX)がある。証拠金取引では、証拠金に比べて大きな取引をすることが可能だが、それは資金を借入れているのと同じ状態である。このような円借り取引の拡大もあって、本来は経常収支の黒字によって円高が進行するはずの日本で、円売りが多いために逆に円安が進行して注目されている。背景には日本の金利が2006年7月の日本銀行によるゼロ金利政策の解除以降も、なお絶対的にも国際的にも相当に低い水準にあることがある。しかし今後、日本の金利が上昇したり円高が進行したりすると、円借り取引を継続していると為替差損が拡大するリスクが高まるので取引を解消(手仕舞い)しようと、早めに円を買い戻す動き(巻き戻し)が出て円高が加速され急激な円高となることが懸念されており、円借り取引の問題は日本銀行の金融政策の新たな制約要因となっている。

円キャリー取引の資金の多くは日本の金融機関が用立てしている。そのためアメリカの株価が急落すれば、日本の金融機関は円キャリー取引の清算に失敗した海外の投資家達の不良債権を一気に抱えることになり、最終的なババを引かされる可能性があるため、円キャリー取引の行方は日本経済にとっても重要な問題である。
タグ:デフレ 金利

 あとで読む
 
posted by kei at 06:00 | Comment(5) | TrackBack(2) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
もう何があっても驚きません!

・・・ていうところまで来ましたね!笑い^^!

先日から、自由化を規制しようという先進国の会議の思惑が発表されましたね。

何をたくらんでいるのか、世界が統一政府に向けてひたすらまい進してゆくのが手に取るように判りますね。

ここで、完全ゼロ金利となると、経済とかいう幻想も立ち行かなくなりそうですね。

どうしましょうかね!?笑い^^!

笑い飛ばすしか出来ませんね!?笑い^^!

お約束の、応援ポチポチ☆ドカ〜ン。
Posted by ★酔いどれ吟遊詩人 at 2008年11月18日 11:40
リンク確認しました(^^♪
今後ともよろしくお願いします

ぽちっとσ(^_^.)σ☆
Posted by ココア at 2008年11月19日 12:55
この間、金利を引き下げたときの日銀総裁の弁によれば、技術的には公定歩合をゼロにしても短期金融市場では手数料などがかかるためにゼロ金利にはできないとのこと。あとは、インフレを起こして実質金利ゼロからマイナスにするしか対応できないでしょうね・・
Posted by くろかめ at 2008年11月19日 23:56
コメントありがとうです♪
ゼロ金利になると日銀は意味を持たなくなりますね。国民の税金に支えられてお金を刷ることになると・・・ちょっと考えさせられます。
Posted by ケイ at 2008年11月25日 04:21
金利ゼロ、ではなく、リスクプレミアムまで考えるとマイナスになります。
今後、日銀がコマーシャルペーパーを買い取り現金を市場に供給する予定です。そうなれば金利ゼロ、ではなく、リスクプレミアムまで考えるとマイナスになります。すでにFRBは自国の上場会社の株式を大量に購入しています。
しかし、今はしかたないでしょうね。
信用収縮のために、資金が不足し、その資金不足が本来あるべき消費計画を不可能にし、需要不足を生み、生産能力を押さえこむ。
まずは、途切れそうな資金をつながなければ。
Posted by くろかめ at 2009年01月17日 01:17
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/109830700

この記事へのトラックバック

金利
Excerpt: 〔金利マーケットアイ〕国債先物は続伸で寄り付く、米債高・株安で買い先行ロイター現物市場は10年最長期国債利回り(長期金利)が前日比...
Weblog: 借金を解決するブログ
Tracked: 2008-11-18 18:28

「IMFに10兆円拠出」をわかりやすく
Excerpt: 少し前に行われた金融サミットの話題。あんまり報道はされてないみたいだけど。 ◆livedoor ニュース - [金融サミット]最終日の討議始まる IMF強化で一致へ ◆「【金融サミット】 日本の存在...
Weblog: 東江戸川三丁目の夕日を見ながら。
Tracked: 2008-11-19 22:18