2008年11月15日

和製“水メジャー”始動 官民スクラム 欧州勢に挑む このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 和製“水メジャー”始動 官民スクラム 欧州勢に挑む


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 新興国の経済成長を受け、世界の水処理ビジネスが拡大している。仏スエズなど欧米の“水メジャー”は水道水の製造から配管、料金徴収までを手掛ける収益性の高いビジネスモデルを強みに攻勢をかける。この欧米勢に対抗しようと官民がスクラムを組み、12月初めにも“ 日の丸”連合が立ち上がる。金融危機が実体経済に波及し新興国経済には黄信号もともるが、社会の生命線でもある水処理関連は2025年には100兆円との試算もある成長市場。“和製水メジャー”への挑戦が始まった。



 ≪技術は世界一だが…≫

 濾過(ろか)膜メーカーやゼネコン、大手商社を含めた25社程度は12月、経済産業省の後押しも得て、新興国の水ビジネスで大型受注を目指す「海外水循環システム協議会」を発足する。共同事業をやりやすい有限責任事業組合(日本版LLP)の形態で設立。プロジェクトごとに特別目的会社(SPC)を設立し、各社が技術やノウハウを持ち寄って、まずは“仮想水メジャー”を目指す試みだ。

 「オールジャパンで海外に出なければ水メジャーには勝てない」。日立プラントテクノロジーの伊藤真実理事は危機感を募らせる。日本の化学繊維メーカーは、汚水や海水を飲料水に変える水処理向け濾過膜技術で世界トップを誇る。なかでも逆浸透(RO)膜は日本企業が世界シェアの6〜7割を抑える。水処理プラント建設でも千代田化工建設や日揮などが有数の技術を持つ。

 しかし、主に地方自治体が水道事業を担うため、日本企業には事業運営のノウハウがなく、システム構築から料金徴収までの事業全体を請け負えない。政府主導で経営基盤を強化した仏スエズ、ヴェオリア、英テムズウオーターの3強はいまや世界の上下水道ビジネスの8割を占める。「このままでは濾過膜を納入するだけの下請けになりかねない」(繊維メーカー幹部)との現実に直面。しかも、水メジャーは日本の最先端技術を安く買いたたく作戦に出始めた。

 東レは海水淡水化のRO膜でトップシェアを持ち、アラビア湾沿岸の4つの水処理プラント向けの膜を相次いで受注した。RO膜はナイロンに似た合成物質を0.2マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルに伸ばし、膜にできる超微細な穴で不純物を除去する。しかし、この4プラント全体を受注したのはすべて日本以外。仏ヴェオリアがアラブ首長国連邦(UAE)などで2件、韓国の斗山重工とUAEのメチートも受注にこぎつけた。濾過膜は中国メーカーも続々と参入し、価格競争が激しい。今後は付加価値を高めないと勝ち残れないのが実情だ。

 ≪垂直統合目指す≫

 日本でも水事業を強化する垂直統合を目指す動きが始まっている。クラレは工業用の超純水設備製造・販売でノウハウを持つ野村マイクロ・サイエンスと提携。自社の膜技術と合わせ排水リサイクル事業に乗り出した。三菱レイヨンも日東電工と提携。今年4月には日本ガイシと富士電機システムズが水事業子会社を合併させるなど競争力強化に向け手も打ってきた。

 だが、これでも水メジャーの足元にも及ばない。しかも、欧米勢は仏政府自らスエズの買収防衛策策定を主導したほか、新興国向けでトップ外交するなど国をあげて販売攻勢をかける。

 経産省も重い腰をあげ、協議会設立のバックアップに加え、来年度予算の概算要求で膜技術の開発支援や、国内外で水道事業の運営・管理ノウハウを蓄積するためモデル事業を支援。水処理ビジネス復興に乗り出す。

「第2の石油」新興国市場に商機

 単独技術だけでは限界がある中で、欧米の水メジャーに対抗するには資金調達力や新興国に独自のネットワークを持つ商社の総合力も期待されている。

 日本勢単独か、それとも欧州の水メジャーと手を組むか…。“両にらみ”の戦略が奏功しているのが丸紅だ。チリでは2006年に単独出資の形で現地の水道事業会社アグアスデシマ(バルディビア市)を買収、水道事業に参入する一方で、中国の成都ではヴェオリアとタッグを組むなどノウハウ吸収に懸命だ。

 実績で先行するのは三菱商事だ。1997年にフィリピンの現地財閥アヤラや英水道大手のユナイテッド・ユーティリティーズと「マニラ水道会社」の経営に参画。05年にはフィリピン証券市場で株式公開するまでにこぎつけた。

 米国発金融危機の影響で新興国の経済停滞も否めないが、上下水道事業はインフラ事業の中でも優先順位が高く、経済の影響を受けにくい側面もある。加えてここ数年、積極的なM&A(企業の合併・買収)で水処理分野で頭角を現した米GE(ゼネラル・エレクトリック)が金融危機で業績が悪化。ヴェオリアの親会社も9月に業績の下方修正を発表するなど、投資資金が潤沢とはいえない状況だ。

 新興国の工業化に伴う水質汚染で水不足は深刻化の一途をたどり、「水は第2の石油といわれる戦略商品」(丸紅経済研究所の柴田明夫所長)になりつつある。「21世紀は水の世紀」とされる中で、金融危機の影響が軽微な日本勢がいかに競争力を強化できるか。まずは、新たに発足する協議会がどのようなビジネスモデルを打ち出すかに勝算がかかっている。

抜粋 フジサンケイビジネスアイ


・コメント
現在の日本の水道は地方公共団体の水道局が一手に担っており、海水や生活排水を浄化する技術では世界有数の技術を誇っています。

 塩分などの成分をほぼ完全に取り除く特殊な浸透膜は、半導体を洗浄するための「超純水」をつくる技術をもとに開発されたもので、日本が世界の60%のシェアを誇っています。

ところが、経済産業省の試算によると、この膜の市場規模は、水ビジネス全体のわずか1%です。ここででてくるのが「水メジャー」と呼ばれるグローバル企業です。浄化施設、給水所などの建設から、工場や一般家庭への給水、料金の徴収、海水、排水の処理までの管理・運営を、国や自治体に代わって一括して取り仕切っています。すでに、世界50か国以上で事業を展開、2億3000万人の暮らしに欠かせない存在に成長しています。

水制する者は世界制する

いずれにしても、温暖化による渇水や水質汚染、人口増による水問題は深刻で、国連では2025年までに18億人が水不足に直面すると推計しています。

 いい技術さえあれば白馬の王子様が買いに来るというのは誤解です。世界に情報を発信し、ビジネスを展開するなどの積極的な姿勢が必要だと思います。

 これこそまさしく世界貢献であり日本の存在感を示す格好の材料です。果たして先行する水メジャー勢を追いつけ追い越せで攻めの姿勢で行くしかありません。

 水不足の危機は一方でチャンスを生み、巨大なビジネスに変貌しています。2025年の市場規模は111兆円と、自動車産業の3分の1です。今こそ産・官・学・政を挙げた「和製・水メジャー」で挑む時だと思います。

参考 東京水道局
タグ:水メジャー

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posted by kei at 05:07 | Comment(4) | TrackBack(1) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あしあとありがとうございました。
世界では水の争いになると言われていますよね。
官民またはそれぞれの国々が、水と環境エコを制するものが勝ち残れると思いますね。
Posted by takaki at 2008年11月15日 05:25
何故、日本はこういった面で世界に遅れをとるんでしょう。
技術は世界トップクラスなのに、世界戦略に政府はのほほんとしていて、各企業や地方自治体に丸投げしている。
ロケット技術も、新幹線も、高速道路も、ダムも、医療技術も・・・皆、虎視眈々と狙っている海外勢に横取りされていく実態は残念ですね。
Posted by じゃんご at 2008年11月15日 10:28
こんにちわ
返信遅くなってしまい申し訳ありません

相互リンクのお誘いありがとうございます
当ブログからのリンクは完了しています
今後ともよろしくお願いします

σ(^_^.)σ☆
Posted by ココア at 2008年11月16日 10:13
いつも訪問コメントありがとうございます。水は世界で最も必要とされている資源です。こういったインフラを世界的に展開していくことこそまさしく国家戦略に他なりません。
他国の政府機関にお金をばらまいて必要な人に支援がいかず感謝されないODAを続けるのではなく、こういったインフラ整備は間違いなく感謝されますし、その国との関係を強化できます。
Posted by ケイ at 2008年11月17日 04:21
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