自民党税制調査会は15日、正副会長会議を開き、麻生太郎首相が指示した追加経済対策に盛り込む税制上の措置の骨格を固めた。証券税制の優遇、住宅ローン減税、企業の省エネルギー設備投資を促す政策減税などを検討する。株式市場を下支えするとともに、景気動向に影響されやすい住宅需要や設備投資意欲の減退に歯止めを掛けるのが狙いだ。
証券税制は、上場株式の譲渡益、配当の軽減税率を平成21年から特例を除いて、本則の20%にアップすることになっているが、これを撤回。現行のまま制度を延長する方向だ。小口投資家向けに、一定額までの上場株式の投資に対する配当を非課税化する案も浮上している。
年末に期限切れになる住宅ローン減税も延長する方向だ。さらに、借入額の一定割合を所得税額から差し引ける控除枠を、地方税の個人住民税にも広げて適用することや、不動産の流通を促す減税措置を検討する。また、海外進出企業の利益を国内投資などに振り向ける効果を見込んで、海外子会社の受取配当を非課税化する。
総合経済対策に盛り込んだ所得税・個人住民税の定額減税については、制度の具体化が焦点だ。公明党が2兆円規模を求めているのに対し、自民党内では子育て世代を対象に絞るなどの案が出ており、調整の余地は大きい。
正副会長会議後の会見で、津島雄二・党税調会長は「あらゆる受け入れ可能な措置については、対象にして議論をするつもりだ」と説明。米国発の金融危機の拡大が日本の実体経済に及ぼす悪影響に強い懸念を示した。
追加経済対策案は、公明党との協議を経て、今月下旬にもまとめる予定。税制上の措置は年末の21年度税制改正の議論を踏まえて、実施される。
・コメント
政府は、証券税制の優遇、住宅ローン減税、企業の省エネルギー設備投資等、減税枠を増やして経済を活発化させようと試みていますが、意見がバラバラで本当に必要なところに必要な分が行き届いていません。
現在本当に必要なのものは、企業収益を上げ税収を確保することです。財源は税収と赤字国債しかないのですからここを上げなければ話になりません。
確かに、年金や公的な補助を増やすべきだという議論はあるとおもいますが、ここを今増やしてしまっては将来入るべき税収を失ってジリ貧です。今やるべきことではありません。これから長年にわたってやるべきことです。
立場の違いにより、さまざまな意見があると思いますが、困ったときこそ誰かが決断しなければなりません。日本伝統のムラ社会の調整では、何も決まりません。
参考 税制調査会
1. 税制調査会は、日本の内閣府の審議会の一つ。内閣総理大臣の諮問に応じて、租税制度に関する基本的事項を調査審議する(内閣府本府組織令38条、40条。税制調査会令)。政府税調ともいう。
2. 税制調査会は、日本の自由民主党における審議機関の一つ。自民税調ともいう。
3. 税制調査会は、1の政府税調及び2の自民税調の総称。
税制調査会(ぜいせいちょうさかい)は、租税制度の審議を行う政府税制調査会(政府税調)および自民党税制調査会の総称。
自由民主党単独政権時代、政府・与党の中に2つの税制調査会が並存した。1つは内閣総理大臣の諮問機関としての政府税制調査会(略称:政府税調)、もう1つは自民党税制調査会(略称:自民税調)である。税に関する制度、税率の変更はすべてこの2つの調査会の決定・答申の形を経て政府により具体化されていった。
両調査会は連携して同一のことを決めるのではなく、まず政府税調が大枠の方針を決め、最も大切な税率などの数字は、自民党税調が決定していた。特に次年度改正などについては、党税調が決定したものを、翌日、政府税調が事実上追認する形で決定していた。したがって、両税制調査会の関係は「党高政低(東高西低をもじったもの)」といわれ、政府税調の決定権限は弱まっていた。こういう形で実質的には、政府税調の事務局である財務省(地方税については総務省)が自民党の意向を調整していた。政府の税制調査会のホームページは、財務省が作っているのがそれを象徴している。
自民党税制調査会は長年にわたって、インナーと呼ばれる税制に精通した長老議員(山中貞則、村山達雄、奥野誠亮、林義郎ら)が実権を掌握し、総裁や党三役すらはばかるほどであったが(これには「課税の話は多数決で決められる問題ではなく、専門知識を持った権威者が裁定するしかない」という理由もあった)、これら長老議員の相次ぐ死去・引退によりかつてほどの独立性は薄れている。

