2008年09月15日

レイク買収で反転攻勢なるか 新生銀行“背水の陣” このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - レイク買収で反転攻勢なるか 新生銀行“背水の陣”


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写真 新生銀行

 かつては銀行をしのぐ高収益を謳歌(おうか)した消費者金融も、収益低下で生き残りを賭けた再編の渦中にある。平成10年の金融危機時に破綻(はたん)した旧日本長期信用銀行を前身とする新生銀行も、準大手の一角である「レイク」を米ゼネラル・エレクトリック(GE)から買収することを決めた。改正貸金業法による上限金利引き下げで市場の縮小におびえる消費者金融だが、銀行にすれば、やり方次第でリテール(個人・小口金融)の収益を強化できる格好の事業に映る。米サブプライムローン問題の影響などで業績が低迷する新生銀は、レイク買収で反転攻勢に出る。


■低空飛行の業績

 「言い訳はしない。業績不振の懸念は共有している」。
 今年6月25日。東京・内幸町の本社で開かれた株主総会で、業績低迷の責任を株主に問い詰められたティエリー・ポルテ社長は、険しい表情でこう訴えた。
 ポルテ社長は総会で、経営健全化計画を2年続けて達成できなかった責任を取り、自らを含む全執行役員が報酬を1カ月間、10〜30%自主返上することを明らかにし、株主に理解を求めた。だが、自主返上は昨年も実施しており、株主の怒りは収まらない。
 国から公的資金を受けている新生銀は、平成20年3月期の単体決算で最終利益600億円を計上する計画を金融庁に提出していた。しかし、サブプライム問題の余波を受けて関連損失が拡大。結局、最終利益は532億円にとどまった。
 連結決算の最終利益も2期ぶりの黒字転換とはなったが、内実は本店ビル売却益(617億円)で底上げしたものだ。リテール部門をはじめ収益力改善はほど遠く、株価も“低空飛行”が続いている。

■起死回生の策

 業績低迷の背景は、サブプライム問題に加え、成長戦略の柱に期待した消費者金融事業は上限金利の引き下げなどで業績が悪化した。M&A(企業の合併・買収)で傘下に収めたシンキ(消費者金融)やアプラス(信販)などのノンバンクに経営資源を集中させたことが“裏目”に出て、19年3月期に連結最終赤字を余儀なくされた。
 追い込まれたポルテ社長ら経営陣は、大胆な策に打って出た。それはまさに、“背水の陣”といっていいものだった。
 まず、シニア・アドバイザーの八城政基氏を6月に会長に迎え入れ、関係者をあっといわせた。シティバンクの日本代表を務めて辣腕(らつわん)を発揮した八城氏は、12年に破綻(はたん)した旧長銀の会長兼社長に就任して、新生銀をスタートさせた初代トップ。長信銀からの業態転換にあたり、リテール部門の強化などに尽力した人物でもある。その八城氏を復帰させたことは、経営陣がなりふり構わず再建に挑む姿勢を内外に示した形だ。
 さらに、起死回生の攻めの一手がレイク買収なのだ。過去に業績悪化の原因となった消費者金融事業であえて拡大戦略を選択するとは、通常の企業ではまず考えられない決断といえる。「賭に出た」(金融関係者)とされるゆえんだ。
 9月末までにGEの消費者金融子会社を総額5800億円で買収することを決めたが、これで新生銀の消費者金融事業は貸付金残高で約8000億円となり、業界6位に浮上する。ポルテ社長は7月の買収発表記者会見で、「新生銀にとっても株主にとっても良いことだ」と、胸を張った。

■高い買い物?

 「レイクの買収額は3000億〜4000億円が妥当。新生銀は、高い買い物をしたのではないか」。
 消費者金融大手のある幹部は、新生銀のレイク買収劇を冷ややかに見る。
 上限金利の引き下げで、消費者金融の市場規模は急速に縮小の一途をたどっている。過去に顧客が払いすぎた「過払い利息」の返還請求も相次ぎ、消費者金融各社の収益が大きく圧迫されている。
 厳しい経営環境の変化を受けて、GEは事業継続が難しいと判断、約1年前からレイクの売却先を探していた。これに対し、「持続可能な成長につながる」(ポルテ社長)とみた新生銀は、レイク買収の入札に参加を決める。決断の裏には、法改正の混乱が収まれば「消費者金融事業は高い収益性を維持できる」との計算があったようだ。
 準大手ながら知名度の高いレイクの獲得をめぐって、消費者金融大手のアコムやプロミスも争奪戦に参入した。貸付金残高1位のアコムや3位のプロミスは、レイク買収に成功すれば業界で抜きんでる存在になれる。買収金額がつり上がったのはそのせいだ。
 一方、競り勝った新生銀にしても、傘下のシンキとレイクを合わせた貸付金残高は業界6位にとどまる。市場規模縮小で消費者金融業界の競争が激化する中、レイク買収後も規模で劣る新生銀が市場で優位性を保てるかには疑問符がつく。強力なリテール戦略の構築にはさらなる仕掛けが必要だろうが、体力的にも時間的にも限界がある。
 それでも、新生銀は残る約2200億円の公的資金の早期返済を迫られている。国民の追加負担の回避には株価が一定の水準を回復する必要があり、収益力の向上は喫緊の課題なのだ。巨額の投資に見合った利益を挙げられるのか不透明なまま、新生銀はレイク買収という賭けに突き進まざるを得なかった。

抜粋 産経新聞


・コメント
 リスク管理が甘かった長銀の破綻を受け再生に意気込んでいる新生銀行ですが、その原資はほとんどが国民の税金でまかなわれていたことはみなさんご存知だと思います。

 新生銀行があせって借款分を返済しなければならない状況において、金利が高いサブプライムはわたりに船だったんでしょうね。思わず飛びつきたくなるのも、わからないでもないです。しかし、あせればあせるほど泥沼になる環境が整っています。

 現在有望な投資先が見つかっていないのも銀行の保有残高をみれば一目瞭然です。投資とは利ざやを稼ぐことではありません。大きく育て時価総額を上昇させることも投資です。

 ですので、株価が下がっている今こそM&Aはいい選択だと思います。投資効率もいいですし、現在の不当に低く抑えられている日本市場も回復は近いと思います。ただし時間という問題がある新生銀行には魅力的ではないのかもしれません。

 即効性のある投資は投機でしかありません。ギャンブルです。じっくり育てる昔からの日本にある気質こそが、現在のサブプライム問題の本質的な解決策なのかもしれませんね。

参考 新生銀行
 1998年10月に、経営破綻し日本政府により一時国有化された日本長期信用銀行は、2000年3月、中央三井信託銀行グループ他との競争入札の末にアメリカの企業再生ファンド・リップルウッドや外国銀行らから成る投資組合「ニューLTCBパートナーズ」(New LTCB Partners CV)に売却され、同年6月に「新生銀行」に改称した。ニューLTCBパートナーズとのパートナーシップは2006年11月に解消され、これにより2007年2月でRHJインターナショナル(旧リップルウッド・ホールディングス)の最高経営責任者であるティモシー・C・コリンズ氏は新生銀行の取締役を辞任した。

代表取締役(2004年6月の委員会等設置会社移行に伴い代表執行役)会長兼社長にエクソンモービルやシティバンクで日本代表を務めた八城政基を招聘した新体制となってからは、インターネットバンキングでの振込手数料の無料化やATMの365日24時間営業、窓口営業時間の延長、円建てと外貨建ての預金がワンセットになった預金通帳を発行しない総合口座「PowerFlex」の販売など、リテール業務の充実を図った。

2004年4月には長期信用銀行から普通銀行に転換、同年9月には、信販会社アプラスと全面的な業務・資本提携。第三者割当増資により連結子会社化。同年10月にはリッチョーワイド(長期信用債券(利子一括払))や機関投資家向けの募集債、財形用リッチョーを除く債券の発行を打ち切っている。また同年同月、消費者金融業シンキを、業務提携で取得した転換社債の行使により持分法適用会社としてグループ傘下に入れるなど、リテール・投資銀行業務などを主軸に積極的な業務展開を行っている。

2005年6月24日現在、資本金約4,512億円をもち、海外に1の支店と1の駐在員事務所を持っていた。2007年3月31日現在、従業員数は2,248人(嘱託、臨時採用、現地雇用除く)。



参考 レイク
 1998年1月に買収したコーエークレジット、同年11月に営業譲受を受けたレイク(本社・大阪市)を統合。それらが母体となり、消費者金融としてのレイクを構成している。その事業規模は、消費者金融業界の大手六社に数えられる。

2007年8月、グレーゾーン金利の影響を受け収益が悪化したため、レイクの売却を決定。武富士を除く大手消費者金融会社が買収に名乗りをあげ同年9月に実施予定だったが、高収益が見込まれないと判断され売却は先送り状態となっているが、2008年3月24日に入札が行われる。予想額は3000億円相当と見込まれる。

なお、2006年春までは「ほのぼのレイク」ブランドでCM・店舗展開を行っていたが「ほのぼの」の文字が取れ、同時期以降に展開した店舗は「レイク」ブランドで、それ以前から営業してる店舗が従来のままとなっている。
タグ:銀行

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posted by kei at 06:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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